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  • 部活週2日休養.17
  • 高齢者「一律65歳」見直し.18
  • 入学支度近金前倒し.18
  • 自殺者8年連続減少.19
  • 就業体験で選考6割反対.22
  • 署名50万人分提出.22
  • 私大の17%破綻恐れ.27
  • 私立高204人雇い止め.29
  • ふるさと納税で府立高支援を.30
  • 1月30日 府教委 ふるさと納税で府立高支援を

     京都府教育委員会は2018年度から、ふるさと納税制度を活用して府立学校の教育環境を充実させる「府母校応援ふるさと寄付」制度の導入を検討している。各学校が独自に行う特色づくりの事業に対し、卒業生や地域住民が寄付する仕組みで、基金設置のための積立金1000万円を当初予算案に計上し、条例案を2月府議会に提出する。一方、すでに同様の制度を実施する自治体では学校によって寄付の集まりに差が出るなどの課題が上がっている。

     府立学校は高校が47校、特別支援学校が11校、公立高付属中が4校ある。新制度ではまず各校が「グラウンド芝生化」や「部活動の大会出場経費「周年事業実施」など寄付の使い道を提示。希望者は支援したい学校を選び、クレジットカード払いや銀行振り込みで寄付する。寄付できるのは卒業した学校に限らず、府外からも支援できる。

     老朽化もた校舎の改修など教育環境の基本部分は予算措置で行うため、公費での予算がつきづらい学校独自の「プラスアルファ」の取り組みが対象となる。ふるさと納税制度を活用するため、税控除を受けたり、個人レベルでの支援をしやすくなるという。

     府教委総務企画課は「寄付によって、学校が独自の取り組みをしやすくなる。各校の多彩な取り組みを応援してほしい」としている。


    学校間格差 課題に

     ふるさと納税を学校の特色化に生かす制度は、兵庫県内の県立学校で2016年4月から始まっている。県教委によると、昨年末現在で全163校中116校に計1億6600万円が寄せられた。各校は無線LANの整備や楽器の購入、地域の課題を学ぶ特別授業を開くなど、特色ある取り組みを行っている。

     しかし、残る47校では寄付が集まらず、掲げた事業を行えない状況がある。県教委財務課は「あくまで寄付する方の善意なので、差が出ていることは否めない。寄付先の学校が指定されているので、余剰分を集まらなかった学校に補填できない」とする。「ブラスアルファ」の事業が生徒にもたらす教育効果は大きく、県教委は「寄付が集まった事例を共有するなどし、広報の仕方を工夫して全校で寄付が集まるようにしたい」と対策を練る。

     京都府内でも同様の問題が起きる可能性はあり、府教委は「学校間の差が大きくなりすぎないように努めたい」と話す。


    府当初予算 外国語教育の拡充

     小学校での英語教育を推進する教員の配置や、大学入試改革で重視される外国語4技能の民間テストを受ける高校生への受験料半額支援などに3億6800万円を計上した。教員の働き方改革の一環で部活動指導員などの導入に2800万円、スクールカウンセラー配置拡充などいじめ・不登校対策に3億4500万円を盛り込み、スクールソーシャルワーカーの拡充や学習が遅れがちな児童生徒の支援に1億8700万円をかけた。丹後地域に20年度開校予定の昼間定時制高校の整備や学校施設の長寿命化推進に23億4400万円を充てた。


    最近の議いう数字ではないのである。


    1月29日 全国私教連 私立高204人雇い止め

     全国の私立高校で働く有期雇用教員のうち、3月末での雇い止め通告を受けた人が少なくとも計204人に及び、有期契約労働者が同じ企業で5年を超えて働く場合、無期雇用に転換できる労働契約法の「無期転換ルール」の適用外になる人が今後、相次ぐ恐れがあることが、28日までに分かった。全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査で明らかになった。

     無期転換ルールは非正規労働者の雇用安定を目的に4月から適用が始まる。通告を受けた人の中には4月時点で勤続5年を超え、適 用対象とみられる教員も少なくとも10人いた。全国私教連は「氷山の一角だ。ルールを就業規則に入れるなどの対応が必要だ」と訴えている。

     アンケート結果によると、204人は17都府県の45校で働き、常勤講師が82人、非常勤講師が122人。都道府県別では神奈川県が最多で65人、香川県が33人、東京都が27人と続いた。京都は8人、滋賀は5人だった。

     アンケートの自由記述では、東京都の高校の教職員組合から「学校側は雇い止めの理由として表向きは授業の評価が低いことを挙げ ているが、背景に無期転換ルールがあることは明らかだ」との声も上がった。

     全国私教連は昨年10〜12月、全国の私立高校にある計590の加盟組合を対象にアンケートを実施、216の組合から回答を得た。


    無期転換ルール

     2013年4月に施行された改正労働契約法18条に定められた。有期労働契約が練り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申し出があれば企業は無期契約に転換しなければならず、今年4月から対象者が出る。雇用の安定が狙いだが、企業側が通算5年を超えないような雇い方をすることで、かえって不安定になるとの指摘もある。また、同法では契約が切れて6カ月以上が経過した後、再雇用されれば通算がリセットされる「クーリング期間」が設けられており、企業が同じ労働者を有期雇用で働かせ続ける恐れもある。


    民間では「無期転換ルール」が適用され有名無実ではあるが一応の歯止め(?)となっているのだが、非正規公務員は「空白の1日」によって毎年クーリングされている。事実20年以上も非正規で雇用されている人もあり、またそれに応じて給与も決定されている事実上の無期雇用になっている。この事実は意外に知られていない。


    1月27日 日本私立学校振興・共済事業団調べ 私大の17%破綻恐れ

     日本私立学校振興・共済事業団が私立大・短大を運営する全国660の学校法人の2015年度の財務状況などを分析したところ、17%に相当する112法人について経営状況が厳しく破綻の恐れがあると分類された。地方では私大が学びの機会を支えている実態もあり、文部科学省は私大への経営指導の強化を検討している。

     112法人のうち、19年度末までに破綻の恐れがある「レッドゾーン」とされたのは21法人(3・2%)で、将来破綻の恐れがある「イエローゾーン」は91法人(13・8%)に上った。法人所有の不動産は考慮しておらず、レッドゾーンに分類されても、土地や建物を担保に融資を受けるなどすれば、財務状況が上向く可能性もある。

     ただ、現在も全国の私大の4割程度が定員割れとなっており、地方では若者の流出が続く。中教審は昨年12月、経営悪化が著しい大 学には、撤退を含めた判断が早期に実施されるよう指導が必要と指摘しており、文科省は今回の私学助成の配分見直しとは別に、改善を促す新たな対策も打ち出す方針だ。

     一方で中教審は、地方の小規模私大が地域の人材育成や知的基盤の中心的な役割を果たしているとの意義も強調。政府は、法人側に経営改革を求めると同時に、東京23区の大学の定員増を認めない禁止措置を法制化することで、東京一極集中の是正を狙う。また、教 育・研究に意欲的な地方大学への交付金措置も充実させ、大学を軸とした地方創生の動きにつなげたい考えだ。



    1月22日 過労死教員遺族ら 署名50万人分提出

     公立学校教員の時間外労働に上限規制を設けるよう求めている大学教授や過労死遺族らの団体「教職員の働き方改革推進プロジェクト」のメンバーが22日、文部科学省の丹羽秀樹副大臣と面会し、約50万人分の署名を提出した。

     署名は昨年5月からインターネットで始め、途中からは書面でも協力を呼び掛けてきた。現職の教職員からも現場の窮状を訴える多くの声が寄せられているという。

     教員の給与に関して定めた教職員給与特別措置法(給特法)は時間外手当の支給を認めておらず、代わりに本給に一律4%を上乗せする特殊な制度になっている。 .

     文科省は昨年12月、教員の働き方改革に向けた緊急対策をまとめ、勤務時間の上限を定めたガイドラインの作成を検討すると表明し たが、署名提出後に記者会見した樋口修賢明星大教授は「ガイドラインの提示だけでは法的拘束力もなく根本的な解決にならない」と指摘。

     給特法の見直しも含め、実効性ある取り組みを文科省に強く求めた。



    1月22日 人材サービス会社調査 就業体験で選考6割反対

     就職活動を控える大学生向けに企業が開くインターンシップ(就業体験)について、一部の企業による実質的な採用選考への利用に対し、全国の大学の61・2%が反対していることが22日までに、人材サービス会社アイデム(東京)の調査で分かった。

     学生が企業で働いて仕事を理解するのが目的だが、人手不足や激しい人材獲得競争を背景に、参加した学生を就宿解禁前に選考する動きも起きている。アイデムは「就活が早期化して学生に影響することへの懸念がある」と分析している。

     採用選考につながるインターンの反対派は計61・2%。「反対」が13・7%、「どちらかと言えば反対」が47・5%だった。「賛成」(4・3%)「どちらかと言えば賛成」 (34・5%)を合わせた賛成派は38・8%だった。

     反対派は「学生の視野が広がる前の囲い込みはミスマッチにつながる恐れもある」(国公立)や「早期化に拍車が掛かり本末転倒」(私立)とする意見が目立った。

     「地方と都市はインターンの参加条件に格差があり、不公平だ」(私立)との指摘もあった。

     賛成派は「学生と企業がマッチングして採用につながればよい」(私立)などとしている。調査は昨年10〜11月、インターネットなどで実施し、270校・キャンバスから有効回答を得た。


    各地で行われているいわゆる「教師塾」もこのインターンシップに近い。十分な研修を行うことなく教壇に立つというこれまでの慣行を補う制度となっているようだが、個々の教員希望者の発想を一律化してしまう恐れも大きい。


    1月19日 厚労省 自殺者8年連続減少

     昨年1年間の全国の自殺者は前年より757人少ない2万1140人で、8年連続で減少したことが19日、警察庁の集計(速報値)で分かった。減少率は3・5%。男性は22年ぶりに1万5千人を下回る1万4693人。女性は6447人で、1978年に統計を始めてからの最少を2年連続で更新した。確定値は3月に発表する。

     人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は16・7人と0・6人改善した。データを分析した厚生労働省自殺対策推進室は「景気回復や自治体などの取り組みにより、着実な減少傾向が続いている」としている。

     政府は昨年7月に閣議決定した自殺総合対策大綱で、自殺死亡率を2015年の18・5人から25年中に米国やドイツの水準に並ぶ13・0人以下にするという数値目標を掲げており、人口推計などを考慮すると、1万6千人以下となる計算だ。

     17年12月のデータの分析が済んでいないため、同年1〜11月の集計を前年同期と比較すると、成人の自殺者は減ったものの、19歳ま での世代は増加し、29人増の516人。この世代の自殺者数はここ20年横ばい状態で、20〜30代も、上の世代と比べると、減り幅が小さい傾向が続いている。

     17年10月には、神奈川県座間市で、インターネットで自殺願望を示唆するなどした10〜20代の男女9人の遺体が見つかる事件も起き ており、若者への効果的な対策が求められる。

     .速報値では、31都道府県で自殺者が減少し、16県で増加していた。最多は東京の2146人。神奈川(1256人)、大阪(1167人)が続き、愛知、埼玉も加えた5都府県が千人を超えた。最少は鳥取の98人。自殺者の増加率では、鳥取(19・5%)と三重(11・9%)の2県が10%を超えた。減少率は和歌山(16・9%)、高知(16・6%)、岩手(15・5%)が大きかった。京都は7・8%、滋賀は10・3%減少した。都道府県ごとの自殺死亡率は、秋田(24・2人)、青森(22・1人)、山梨(21・9人)の順番で高かった。

     年間の自殺者は統計開始から97年までは2万人台で推移していたが、98年から14年連続で3万人を超えた。最多は03年の3万4427人。最少は81年の2万434人。


    NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」の清水康之代表の話 若者支援も強化を

     全体としては各地城で少しずつ対策が進んできたことが数値に表れたのではないか。一方、若者向けの対策は遅れている。会員制交流サイト(SNS)の普及など、若者のコミュニケーションの変化に官民が対応しきれておらず、SNSを使った相談窓口の設置など支援をさらに強化する必要がある。命や生活の危機に直面した時周囲に助けを求めるスキルや情報を、義務教育の中で教えていくことも重要だろう。多様性に富み、生きやすい社会づくりが自殺予防につながる。国だけではなく、私たち一人一人が向き合うべき課題だ。



    1月18日 京都市 入学支度近金前倒し

     京都市は、市民税非課税世帯や生活保護受給世帯の子どもに高校入学準備費用として支給する「入学支度金」について、2018年度の入学者から、従来4月上旬だった支給日を3月末に前倒しする。入学前の立て替え払いを不要にして家計を下支えする。

     申請受け付けは2月1〜28日。対象は、申請時点で入学先が確定し、前倒しを希望する世帯。私立と公立の併顔などで2月中に入学先が未確定の場合は、従来通り4月10日ごろ以降に支給する。

     支給額は各世帯の経済的な状況や進学先により、4万5千〜517万8千円。生活保護受給世帯は私立高に進む場合のみ支給する。

     市は「前倒しは今後も継続したい」としている。問い合わせは、市子ども家庭支援課分室075(251)11280



    1月18日 政府委 高齢者「一律65歳」見直し

     政府は17日、高齢者施策の指針となる大綱の見直し案をまとめた。「65歳以上を一律に高齢者と見る一般的な傾向は、現実的なものでなくなりつつある」と初めて明記し、これまでの施策をより柔軟な形に転換。公的年金の受給開始時期を、70歳を超えても選択できるようにするほか、高齢者の就労促進も打ち出した。少子高齢化や人口減少が急速に進む中、働く環境や社会保障制度を整え、高齢者にも社会の担い手になってもらう狙い。

     指針は「高齢社会対策大綱」で見直しは約5年ぶり。この日、自民党の部会に示し、大筋で了承された。政府は月内にも閣議決定し、具 体的な施策作りを進める。見直し案は「高齢者の体力年齢は若くなり、社会との関わりを持つ意欲も高い」と指摘。現役世代が高齢者を支える従来の構図ではなく、「年齢区分による画一化を見直し、全ての年代の人が希望に応じて活躍できるエイジレス社会を目指す」とした。

     公的年金の受給開始年齢は現在、原則65歳だが、本人が申し出れば60〜70歳の間で選択することができる。開始時期を遅らせると、 毎月の受給額が増える仕組みだ。厚生労働省はこの仕組みを「70歳を超えた後」にまで広げる方向で、制度設計の議論を始める。2020年中の法改正を目指す。

     就労面ではハローワークに生涯現役支援窓口を設置して再就職を促す。日本政策金融公庫の融資などで起業を後押しし、60〜64歳の就業率を20年に67%(16年時点で63・6%)に引き上げる目標を掲げた。

     このほか健康的に生活できる寿命(13年時点で男性71・19歳、女性74・21歳)を25年までにそれぞれ2歳以上延ばし、健康づくりや介護予防を推進する。高齢者の社会的孤立を防ぐまちづくりや高齢ドライバー対策、認知能力が低下した高齢投資家の保護も盛り込んだ。


    公的年金制度 選択幅拡大、「自助」に期待

     老後を支える公的年金制度を巡り、政府は70歳超での受給開始も選択できるようにするとの指針案をまとめたが、財政安定のため、受給額が目減りしていく政策が既に始まっている。政府は高齢者に長く働いてもらうため、受給開始時期を遅らせると年金額が増える仕組みを拡大する方針だ。

     公的年金は原則として65歳から支給されるが、本人の申し出により、60〜70歳の間で自由に開始時期を選べる仕組みになっている。時期を早めると受給額は1カ月当たり0・5%ずつ減り、遅らせると1カ月当たり0・7%ずつ増える。70歳まで遅らせた場合は、最大42%の増額となる。

     現在も70歳を超えて受け取り始めることは可能だが、受給額は上積みされない。そこで政府は制度を見直し、受給額が増えるようにすることで、元気な高齢者が働き、自ら十分な年金額を確保する「自助」に期待する。

     少子高齢化の中で世代間の負担格差を和らげ、年金財政を安定させるため、政府は2004年に「マクロ経済スライド」と呼ばれる抑制策を導入。今後は高齢者が受け取る年金額は徐々に目減りしていく。


    65歳以前に年金を受給すると1年間に6%、5年間で30%の減額ということになる。退職金の削減と併せて考えると、「60歳で退職」はほぼ不可能になる。となれば、定年延長もしくは再雇用などだが、学校(特に小学校)ではどれだけの「職」があるのだろうか。「新たな職」の創設に絡めて学校のシステムの変更が必須であろう。


    1月17日 スポーツ庁 部活週2日休養

     運動部活動の在り方を議論するスポーツ庁の検討会議で16日、中学校の部活動について、学期中は週2日以上を休養日とし、1日の 活動時間は平日2時間、休日は3時間程度までに抑え、合理的で効果的な練習を実践することなどを柱とするガイドラインの骨子案が示された。高校は対象外だが、基準の準用を期待するとした。

     運動部を巡っては、行き過ぎた練習などが課題になつている。2016年のスポーツ庁の調査では、休養日を設けていないか、週1日だけの中学校は全国で7割超を占めており、教員の多忙化の大きな要因にも挙げられる。同庁は部活動の教育的意義を認めつつも、数値を明確にした基準を示すことで過熱化に歯止めをかけ、教員の働き方改革にもつなげたい考えだ。正式なガイドラインは17年度内にまとめる。

     骨子案では、1週間で少なくとも平日1日、週末は1日以上を休養日とし、週末に大会があった場合は別の日に振り替えるとした。夏休みなどには長期の休養期間を設けることも明記した。

     この基準を踏まえて、今後、全国の教委や学校法人に休養日などを明記した「運動部活動の方針」を作ってもらう。同時に、学校ごとでも方針を作成し、顧問は毎月の活動計画や実績を校長に提出する。外部人材の部活動指導員を任用するなどして、円滑に部活動が運営できる体制づくりも求めた。

     また生徒の中には厳しい練習で力を付けるよりも、友だちと楽しんだり、適度に運動したりしたいというニーズもあるとして、季節ごとに違う種目に取り組むなど、多様な運動部の設置も提言。少子化の進行を考慮し、複数の学校の生徒が合同で参加するなど、一定規模の地域を単位とした活動への移行も想定していくべきだとした。



    1月15日 共同通信調査 現政権で改憲54%反対

     共同通信社が13、14両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍晋三首相の下での憲法改正に反対は54・8%で、2017年12月の前回調査から6・2ポイント増加した。賛成は33・0%。小泉純一郎元首相らが主張する全原発の即時停止に賛成は49・0%、反対は42・6%だった。内閣支持率は49・7%で、前回調査から2・5ポイント増加した。不支持率は36・6%。

     憲法9条に自衛隊を明記する首相の提案には反対52・7%、賛成35・3%。同じ設問をした昨年11月調査(反対52・6%、賛成38・3%)と傾向は変わらなかった。

     「專守防衛」に反するとの指摘がある長距離巡航ミサイルの導入には、賛成41・7%、反対46・7%だった。

     首相(自民党総裁)が今年9月の総裁選で3選を果たして首相を続けてほしいは45・2%。続けてほしいと思わないは47・5%だった。

     野党連携の在り方を尋ねると「できるだけ多くの野党が一緒になり、政権交代を目指す政党をつくる」22・1%、「それぞれの党を維持した上で、協力して与党に対抗する」37・1%、「政策課題ごとに与党に是々非々で対応する」32・6%と回答は割れた。

     22日に開会する通常国会で、政府が成立を目指す「働き方改革」関連法案に盛り込まれる「高度プロフェッショナル制度」導入には、賛成が25・4%、反対が54・9%。

     2月に開幕する韓国・平昌五輪への北朝鮮の参加については、参加が望ましいが58・9%で、望ましくないの31・9%を上回った。

     政党支持率は自民党が前回比1・3ポイント増の38・4%、立憲民主党は0・2ポイント増の12・7%、希望の党は2・0ポイント減の1・2%。公明党2・8%、民進党1・3%、共産党3・8%、日本維新の会2・4%、自由党0・1%、社民党0・6%、「支持する政党はない」とした無党派層は35・4%だった。


    自民党の支持は依然堅調だが安倍政権は「賞味期限切れ」という結果か?憲法は不磨の大典という感覚は随分薄れてきているように思えるが、北朝鮮のミサイル問題も現実的(果たしてそうだとも思えないのだが)課題だと言う世論の反応。こうした中で、少なくとも「安倍政権下での改憲」に反対する勢力は、これまでとは違った戦略・戦術で「発議」を止められるかが問われている。


    1月12日 自民党 歴史検証活性 へ

     自民党は近現代の歴史を検証する「歴史を学び未来を考える本部」の活性化に乗りだす。新たに本部長に就任した下村博文元文部科 学相の下で、満州事変や極東国際軍事裁判(東京裁判)、連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策を巡る意見交換に入る。2015年の組織発足時に「歴史修正主義」を警戒する声が出ており、議論の行方次第で内外に波紋を広げる可能性もある。

     昨年12月20日の本部会合で、下村氏は「日本や日本の教育界では、近親代史の認識が不十分な部分がある」と指摘。「通常国会が終わるまでに一連の議論を終了させたい」とも述べ、6月中旬ごろをゴールに会合の頻度を増やす方針を示した。

     同本部は15年に当時の稲田朋美政調会長が設置を主導した。稲田氏が東京裁判の在り方を疑問視する持論で知られたため、国内外で警戒感が拡大。バランス感覚があるとされた谷垣禎一幹事長(当時)を本部長に据え、中立性を重視する勉強会と位置付けて沈静化を図った経緯がある。

     これまでに日清、日露戦争や第1次世界大戦などをテーマとした有識者ヒアリングの形を中心に8回開き、17年は3回開催された。報告書や提言をまとめる予定はない。

     下村氏は安倍晋三首相や稲田氏と思想信条が近い。会合では、議論加速の理由として22年に高校で近親代史を学ぶ必修科目「歴史総合」が新設されることを挙げた。「まずはわれわれ国会議員が歴史を学ばなければならない」と説明した。


    東京裁判を「勝者の論理」として避難する議論もある。そこから、過去の侵略戦争をまた太平洋戦争を合理化し日本にとって「やむをえなかった戦争」とする歴史修正主義。自民党の歴史検証がそうした視点で行われるとすれば問題は大きい。広島・長崎への原爆投下、大都市への無差別爆撃などアメリカの戦争行為をどう評価するかの視点も必要。アメリカの核の傘に依存する自民党の歴史観を対象化出来るだけの度量も必要だし、まずは核兵器廃絶条約の批准を行うことの上での歴史「検証」でなければならない。


    1月11日 今春高校導入 発達障害など支援

     発達障害などの子どもが普通科などで学びながら特性に応じて個別の授業を受ける「通級指導」が、来年度から高校に導入される。生活や学習上で抱える困難の改善または克服を後押しし、自立につながるとの期待がある。一方で、新たな制度であるためノウハウや専門性を持った教員の育成、通級指導が必要な生徒をどのように決めるかなどの課題が残っている。

     「総務企画部の先生お願いします」。場面に合わせた振る舞いを学ぶ男子生徒が、職員室での教員の呼び方を練習する。「もう少し声を大きくできたら、良いなと思います」と教員がアドバイスすると、男子生徒はうなずいた。

     昼間定時制の府立清明高(京都市北区)では、文部科学省の研究指定を受けて本年度から試行的に通級指導を始めた。男子生徒は状況に応じたコミュニケーションが苦手だったが、「場面によって言葉の使い分けができるようになった」と成果を実感している。

     重点を置くのは、コミュニケーションや人間関係の形成、自分が置かれている環境の把握などの自立活動だ。生徒の特性に沿って個別に学習計画を作る。同高では外部の専門家によるサポート体制もある。

     瀧本徹副校長は「高校は社会に出る一歩手前。就職や大学進学ができても、対応できずに途中で辞めてしまうケースがあり、社会で実践できる力を身に付ける指導がしたい」と話す。

     小中学校の通級指導はすでに実施されている。文科省の統計では公立小中学校の対象者は増加傾向で、2016年度には過去最多の9万8千人に上った。ニーズの高まりを受けて高校での制度化が決まった。新たな高校での通級指導は、卒業に必要な単位として認定することができる。

     文科管は専門知識を持った教職員の配置を行う方針で、各教育委員会には蓄積のある特別支援学校との連携も求めている。

     府教委高校教育課によると、府立高で来年度から実施が確定しているのは清明高のみという。同課は「学校の体制や人材の面で課題があり、すべての学校ですぐに実施は難しい。同高での事例を生かして、段階的に進めたい」とする。

     京都市立高では、文科省の研究指定を受ける伏見工業高定時制(伏見区)が通級指導に備えて夏休みに手厚い支援が必要な生徒3人を対象にマンツーマン形式の講座などをした。他の市立高については今後、通級指導に関わる小中学校や総合支援学校の教職員らによるチームを立ち上げ、各校を巡回する形で生徒の支援や学校へのアドバイスを行う予定だ。

     一方、通級指導では指導を受ける生徒本人や保護者の意思確認も必要になる。伏見工業高定時制の田中克典副校長は「高校生は多感な時期で、教員が通級指導が必要と判断した生徒でも本人が希望しない場合が想定できる。意思に反して受けさせることはせず、その場合は他の手だてを考えなければいけない」。本年度は講座以外にも、同校独自に始業前の時間を使って少人数で行う自由参加の補講も始めており、生徒を支えるための体制づくりを急いでいる。


    障害のある学生を支援する京都大学生総合支援センターの村田淳准教授(福祉社会学)の話進路の選択肢広がる

     高校での特別支援教育は小中学校や大学と比べ、大きく注目されてこなかった。通級指導が制度化されることで、特別支援学校高等部などへ進学していたような中学生にとっても進路選択の幅が広がる。高校で生徒を個別的にサポートし、多様な学びを確保できれば、大学進学や就職の選択肢が広がることも期待できる。

     本年度末に学習指導要領が改定される。知識偏重にとどまらない対話型の学習が進むことで、学習や生活での困難を抱える生徒が新たに出る可能性がある。学校側はある生徒に困難があるからと安易に「通級指導の対象」と判断するのではなく、指導方法も含めて生徒本人や保護者とじつくり話し合い、個別に対応する必要がある。発達障害や通級指導について教職員の理解や専門性を向上させてより良い支援の形を学校全体で模索すること、行政が学校をバックアップする体制を整えることも重要だ。


    『変光星』という自閉症少女の回想録がある。おそらくいまでいうところの「発達障害」にあたる女性の回想録であるが、その凄まじさに胸が痛くなる。そうした状況を改善するための「理解」や「支援」は必要であるが、それを個の問題として解消してしまわないこと、つまりいかなる人間関係の中で発達「障害」を顕現しているのかを根底に置いた障害者観が問われなければならない。


    1月8日 民間調査 共働きでも家事は妻66%

     夫婦ともにフルタイムで働いていても妻が主に家事をしている家庭は66%に上ることが7日、民間の調査で分かった。働く女性は増えているものの、家事は依然として妻に偏っている実態が浮かんだ。夫の長時間労働や「家事は女性」といった価値観が影響しているとみられる。

     調査はマーケティングリサーチ会社「マクロミル」が昨年9月配偶者と同居し、週40時間以上働く20〜40代の男女千人にインターネットで実施した。

     誰が家事を担っているか聞いたところ、「妻がほとんど」が29・7%、「妻が主に担っているが、夫も少し分担」が36・3%だったのに対し、「妻と夫で分担」は30・2%にとどまった。

     「夫が主に担っているが、妻も少し分担」は2・1%、「夫がほとんど」は0・4%だった。

     共働き家庭の家事の在り方については「妻・夫で平等に分担すべきだ」(42・8%)と「妻・夫に限らず、仕事が忙しくない方が積極的に担うべきだ」(40・4%)が多数を占めた。「できるだけ妻が担うべきだ」は13・4%だった。

     夫と妻の就業時間を比べると「夫の方が長い」は60・6%、「同じくらい」は28・2%、「妻の方が長い」は11・8%で、担当者は「家事は女性の役割だという価値観も根強いが、男性の長時間労働が減れば分担は進むのではないか」と指摘している。


    男女でほとんど労働条件が変わらない公務労働でも恐らく「調査」と同じ傾向にあるだろう。男女共同参画をスローガンにする組合活動においても男性「優位」の傾向は一層強いと言えるだろう。「家事は女性の役割だという価値観」は自民党の改憲草案を貫く家族観でもある。


    1月6日 連合会長 高プロ制度「必要性全くない」

     連合の神津里季生会長は5日の記者会見で、一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の創設について「必要性を全く感じていない」と強調、政府が今月召集の通常国会で提出予定の働き方改革関連法案から除くよう求めた。

     安倍晋三首相は通常国会を「働き方改革国会」と名付け、法案成立に意欲を示している。神津会長は「本来なら昨年秋の臨時国会で議論されていたはずだった。長時間労働是正を一刻も早く実行に移すべきだ」と述べ、法案の柱である残業時間の上限規制を早期に導入するよう求めた。

     また、政府が当初予定の2019年4月から1年程度延期する検討に入ったことには「事実だとすれば非常に遺憾だ」とした。


    「高度プロフェッショナル制度」と名前だけれども実質的には「残業代ゼロ法(案)」と呼ばれるものであり、この導入は「働き方改革」という政府の方針の正体を示すものといえる。