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  • 改憲勢力3分の2割れ.22
  • 7月22日 共同通信出口調査 改憲勢力3分の2割れ

     共同通信社が実施した出口調査で「安倍晋三首相の下での憲法改正」について賛否を聞いたところ、全体で反対が47・5%となり、賛成の40・8%を上回った。支持政党別に見ると、自民党は賛成73・7%、反対18・1%で、公明党は賛成46・6%、反対39・6%。与党支持層でも温度差があった。

     改憲は首相の持論。参院選でも9条への自衛隊明記の必要性を訴えるなど争点化を図ったが、有権者の理解は進まなかった格好だ。

     自公とともに「改憲勢力」と位置付けられる日本維新の会の支持層では、賛成44・9%、反対48・3%でほ拮抗した。

     安倍政権下の改憲阻止を訴える野党のうち、立憲民主党は反対87・4%で賛成8・5%を大きく上回った。反対は国民民主党で74・3%、共産党で89・5%、社民党83・8%を占めた。

     「支持する政党はない」とした無党派層では、賛成25・6%、反対63・6%だった。

     男女別では、女性で反対が50・6%に達し、賛成の34・9%を上回った。男性は賛成46・7%、反対44・4%だった。

     男女を合わせた年代別で見ると、10〜30代でいずれも賛成が反対を上回った。賛成は10代で49・8%、20代で50・0%、30代で48・2%。40代は賛否ほぼ同じで、50代以上は反対と答えた人の割合が多かった。


    立民18・19歳で低迷

     共同通信社の出口調査によると、比例代表投票先は全世代で自民がトップとなり、他党を圧倒した。特に18、19歳は、自民38・2%に対し、立憲民主党10・8%と大差がついた。

     立民は全世代合計でみると17・5%が投票先としており、若年層での支持低迷が目立つ。

     18、19歳の投票先は他に、公明党10・8%、国民民主党7・8%、共産党8・6%、日本維新の会8・2%、社民党1・6%。政治団体「れいわ新選組」は5・3%だった。

     自民に投票したとの回答は全世代で35%を超えた。20代が最も高い41・1%、30代は40・6%だった。一方立民は60代以上で20%に迫り、他の世代に比べ高い支持を集めた。公明は30代の7・7%が最も低かった。

     共産は60代以上で10%を超えた。維新は、50代が最も高く12・1%。いずれの世代も国民は8%未満、社民は3%未満だった。れいわは20〜40代で8〜9%台の支持を得た。

     男女別で投票先を比較すると、自民に投票したと答えたのは男性が40・3%、女性が36・3%。公明は男性8・1%、女性12・8%、共産は男性8・0%、女性10・6%で、いずれも女性が上回った。

     2016年6月施行の改選公選法で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて以降、今回は2回目の参院選となった。


    「改憲勢力3分の2割れ」との見出しが付けられているが、積極的に改憲反対が票に表れたかどうかは分別しづらい。世代間での意識の違いが鮮明になった結果だとみることもできる。いわゆる「護憲勢力」と呼ばれている60代以降の人たちがなんとか踏みとどまったという感が強い。安保法制が成立して以降、憲法の危機が叫ばれてきたが、若い世代にはほとんどそのメッセージが届いていなかったと改めて思わざるを得ない。この先、「護憲勢力」はますます老齢化していくのだから、新たな社会のあり方を「野党」(護憲勢力)は示す必要があるだろう。「憲法を守れ!」だけでは運動にはならない。


    7月20日 京都新聞調査 大学進学1万1千超

     京都新聞社は、京都府内の公立・私立高校(全日制)を対象に、今年3月卒業生の進路実績と20年度大学入試の見通しなどに関するアンケートを行った。回答を得た74校の卒業生のうち、現役で大学に進学した生徒は前年度に続き1万1千人を超え、大学進学率は約6割だった。

     アンケートは95校に郵送した。回収率は77・9%。判明した分を集計すると、3月の卒業生は1万8119人で、このうち大学こ進学した生徒は1万1692人。進学率は64・5%とほぽ前年度並みで、大学進学志向が高い傾向が続いている。

     国公立大学合格者は2324人(同2316人)で、浪人生を含むと2888人(同2955人) だった。京都大は156人(同160人) で、浪人生を含むと226人(同235人) が合格を果たした。

     「関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)」は4790人(同4800人)で、浪人生を含めると5966人(同5830人)。「産近龍佛(京 都産業大、近畿大、龍谷大、佛教大」は5695人(同5401人)で、浪人生を含めば6530人(同6019人) だった。.

     集計では、1人で複数の大学・学部に合格した場合は、それぞれの大学に合格者として累積計上した。浪人生の試験結果を未把握の学校が約20校あった。回答が空白などの場合はゼロとして集計したため、実際の数字とずれがある可能性がある。



    7月16日 京都労働局 「働き方改革」有休・時短の職場トラブル相談が急増

     京都労働局がこのほどまとめた2018年度の民事上の職場のトラブルに関する労働相談件数は、過去最高だった17年度と同水準の9444件だった。「働き方改革」の影響で年次有給休暇や時短勤務関連の相談が急増したほか、近年増加傾向のハラスメントなどのいじめ、嫌がらせ関連が過去最高となった。

    ■パワハラ含む「いじめ・嫌がらせ」過去最高に

     個別相談内容の内訳は、休暇の取得や時短勤務などを含む「その他の労働条件」が2044件とトップで、17年度の1233件から急増した。年5日の年次有給休暇(年休)取得を義務づける働き方改革関連法の成立を受け、休暇取得に関する相談が多いという。

     パワーハラスメントを含む「いじめ・嫌がらせ」は17年度から152件増の1854件と過去最高だった。最近10年ほど増加傾向で、09年度からほぼ倍増している。

     1・5倍超の高い水準で推移する府内有効求人倍率や労働力不足を背景に、事前に退職を申し出ても認められないなどの自己都合退職関連が3番目に多い1682件だった。一方で解雇に関する相談は減少傾向で、18年度は前年度比112件減の810件だった。

     労働局による労働者と事業主の間のトラブル解決の仕組みは、労働相談を窓口に、労働局長による助言・指導や専門家による紛争調整委員会のあっせんなどがある。

     18年度の助言・指導の申し出受付は前年度比37件増の358件と過去最高で休暇やいじめ、嫌がらせ関連が多かった。「年休が残っているのに会社側が残っていないとして取得させない」「同僚の暴言を相談したが放置された」「就業規則に従った退職の事前申し出にもかかわらず上司が退職を認めない」などの事例があった。あっせん申請の受理は同30件減の65件だった。

     同局は「パワーハラスメントの定義や働き方改革関連法など制度が整うことで当事者の認識が高まり、相談が増えているのではないか」としている。



    7月15日 大学で主権者教育 「19歳の壁」打破

     10代の投票率は、18歳に比べて19歳の投票率が低い傾向があり、京都府内の選挙でも10ポイント程度の差が出ている。そんな「19歳の壁」を打ち破ろうと、主権者教育を授業に取り入れる大学も出てきた。

     京都光華女子大(右京区)は、こども教育、健康科学、キャリア形成の3学部の新入生全員が履修する「京都光華の学び」で、批判的な思考力を養うことを目的に、前期15回の授業のうち、7回分で原発や消費税増税など政治的な課題を扱う。

     消費税増税を扱った授業では、最初に学生に増税への賛否を聞いた後、教員が「社会保障制度の維持に増税は必要」「増税したら景気や家計に悪影蜜を与える」など推進派、反対派それぞれの意見を紹介。その後、賛否を取ったところ、1回目は反対が7割を占めたが、2回目は5割に減った。

     授業を担当する乾明紀准教授(市民社会論)は「最初は何となく物事を考えていた学生が、情報を与えられて真剣に悩んで答えを出す。その過程にこそ意味がある」と意義を語る。

     ただ、履修するある学生(19)は「自分の意見に自信が持てない」と話し、今回の参院選で投票に行くつもりはないという。乾准教授は「そう考える学生は多い。白票でもいいから投票することで、自分の存在を議員に伝えることから始めてほしい」と呼び掛ける。



    7月14日 小学校でプログラミングや英語 急速な教育改革に現場戸惑い

     教室のスクリーンに、無料通信アプリLINE(ライン)のやりとりが映し出される。「お地蔵さん」。教諭が調べたいことを打ち込むと、「子供たちの守り神です」と答えが自動で表示された。スクリーンを見つめていた児童からは、「おぉー」とどよめきが起きた。

     6月下旬、2020年度から小学校で必修化される「プログラミング教育」を先行体験する授業が、京都市北区の紫野小で行われた。観光客らに地元について詳しく知ってもらおうと、LINEの画面で質問に自動で答えるプログラムを子どもたちがつくった。

     授業は、プログラミング教育に力を入れる文部科学省が企画した。訪れた同省の担当者は「子どもたちが大人になる頃には、コンピューターは生活に不可欠になる。小学校段階から付き合い方を教えたい」と、新しい学びの必要性を力説した。

     20年度から教育内容が大きく変わる。急速に進む国際化や技術革新に対応するためとして新学習指導要領が導入され、小学校ではプログラミング教育が始まるほか、5、6年生で英語が正式な教科となる。安倍政権は12年の政権奪還後、教育再生を「経済再生と並ぶ最重要課題」に位置づけ、13年に教育再生実行会議を官邸に設置。早期の英語教育やプログラミング教育など財界の要望も取り入れ、政治主導で独自色の強い教育改革を矢継ぎ早に打ち出してきた。

     ただ、学校現場の準備は万全とは言い難い。「コンピューターや英語にアレルギーがある教員も多い」「新たにすべきことが多くて戸惑いもある」。現場の教員に聞くと、不安の声が次々と漏れる。

     「そんなことが許されるのか」。ある府立高の副校長は今月上旬のニュースに驚きを隠さない。英語の民間検定試験「TOEIC」の運営会社が、21年1月から大学入試センター試験の後継として始まる大学入学共通テストへの参加を「運営が複雑で対応が困難」と取り下げたのだ。同テストでは英語の「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測る目玉として準備が進められてきた。副校長は「他の検定試験に波及しないか心配。受験生に不安が広がる」と危惧する。

     政府主導で教育の在り方を議論する枠組みは過去にもあった。1984年、当時の中曽根康弘首相が設置した政府直属の臨時教育審議会だ。かつて文科省の審議官として「ゆとり教育」を推進した京都造形芸術大の寺脇研客員教授は「臨教審は中立的な委員で3年ほど掛けて20〜30年後の教育の在り方を議論した。安倍政権は、猛スピードで新しいことをやり、ほころびが出ている」と警鐘を鳴らす。「教育問題はこれまで中立的に議論されてきたため、選挙の争点になることは少なかった。安倍1強で教育内容が決められる今こそ、与野党で論争すべきだ」



    7月13日 文科省  「先生も夏休みを」

    学校の先生も夏休みをしっかり取って―。文部科学省は13日までに、夏休み期間中に長期間の学校閉庁日を設けるなどして教員の休日を確保するよう、全国の都道府県教育委員会などに通知した。合わせて、夏休みに研修などを積極的に行うよう求めた過去の通知を廃止する異例の措置も実施し、長時間労働が深刻な教員の働き互改革を進めたい考えだ。

    通知は6月28日付。業務量を削減し、夏休み期間中にまとまった休日を取れるようにすることが「教職の魅力を高めるためにも必要と指摘している。

    文科省調査によると、教員の日直などを置かない学校閉庁日を年間の中で1日でも設けている市区町村教委は60・4%。このうち岐阜市教委は昨年、夏休み中に16日連続の閉庁白を設定した。

    ほかに、超過勤務を命じた場合に正規勤務時間の割り振りを適切に行っているとしたのが45・1%。勤務時間外の留守番電話設置やメールでの連絡体制整備、PTAへの協力要請は10%台にとどまったほか、特に取り組んでいない市区町村も15・9%に上った。

    今回の通知では、各教委に閉庁期間の拡大や新規の導入など一層の取り組みを求めており、教員が有給休暇などを取りやすい環境づくりを目指している。

    夏休み中のプール指導などは学校以外が担うべき業務とし、各校の実情を踏まえて見直すよう提言。授業日を設けている場合には、 必要性の再検討を求めた。部活動も、休養日を週2日以上設けるなどとした指針の順守を呼び掛けた。

    多くの時間が取られ負担が大きいとされる夏休みなどの研修については、都道府県教委と市区町村教委で重複した内容を整理し、受講後の報告書も簡素化を図ることとした。文科省の目安では、採用1年目の教員は校内研修を年間300時間以上としているが、これを「必ずしも目安通りに実施する必要はない」とし、日数や時間数を弾力的に設定するよう促した。



    7月12日 大学共通テスト 数学の文章記述問題、導入見送り

     現行の大学入試センター試験の後継で2020年度に始まる大学入学共通テストを巡り、大学入試センター(東京)が数学で検討していた文章記述の問題導入を初年度は見送る方針を決めたことが12日、分かった。昨年11月の試行調査では、文章で解答する問題を含む記述式の小問3問の正答率が低迷し、本番では3問とも数式のみを記述させる。

     センターが今月、各地で実施している高校関係者らへの説明会で明らかにした。記述式問題の導入は共通テストの目玉の一つ。選択肢から答えを選ばせるのではなく、考えをまとめて論述させることで「思考力・判断力・表現力」を評価できるとしている。

     センターは今回の変更について「試験全体のバランスを整えるための措置」としているが、記述式導入の意義を損なうことがないのか論議を呼びそうだ。

     センターによると、試行調査の数学は「数式を記述する問題、または問題解決のための方略などを端的な短い文で記述する問題を出 題する」との方針で作成。「数学T・A」で小問3問を出題したが、正答率は最大でも10・9%で、文章で解答する問題は3問中最低の3・4%にとどまった。

     記述式の正答率はセンターの想定よりも低く、「総合的な判断」(担当者)で、初年度は文章記述の出題をしないことに決定。新たに「数式等を記述する小問3問を作成する」といった問題作成方針を示し、文章の記述は必要ない形にする。

     センターは、国語の記述式についても、解答字数の上限を最大で120字程度とすることも決定。小問3問を記述式とし、うち1問を「80〜120字程度を上限」とし、残りの2問は「それよりも短い字数」とした。これまでは3問を「20〜30字程度、40〜50字程度、80〜120字程」とし、明 確な上限を示していなかった。


    教育情報会社「大学通信」の安田賢治常務の話 受験生に混乱も

     試行調査で述式の正答率が低かったから解答形式を限定し、易しくする意図があると受け止めざるを得ない。当初の理想は高かったが、現実の高校生のレベルに合わせたということではないか。文章が含まれる解答は、数式だけの場合に比べて採点が難しいことも背景にあると思う。大学入学共通テストの本番まで残り1年半という中での大きな変更で、初年度に受験する現在の高校2年生や指導教員らは混乱するのではないか。



    7月11日 府教委 中学卒業後の支援強化

     不登校から長期の引きこもり状態になるのを防ごうと、京都府教育委員会は10日、不登校の中学生を卒業後も継続して支援する取り組みを強化した、と発表した。引きこもりを担当する府の健康福祉部と府教委が連携を深め、中学卒業後も家にこもったり、進学先高校でN悩んだりしても、サポートが途切れないようにする。

     府は不登校から引きこもりにつながるケースが多いことから2017年度、府の「脱ひきこもり支援センター」(京都市東山区)内に中高校の不登校生を支援,「早期支援特別班」を設置した。教員OB5人が直接学校に出向くなどしてきたが、生徒や保護者と関係を構築しようとしても、理解を得られにくいというハードルがあった。

     そこで、4月に同班を所管する健康福祉部と府教委が中学生の不登校情報を共有する組織を新設。サポートできそうな事案があれば、市町教委や学校を通じて生徒や家族らに同班を紹介する。家庭に受け入れられれば、中学校卒業後も定期的に相談に乗り、専門の引きこもり支援団体につなぐなどする。

     府内の不登校数は中学生1885人、小学生634人(いずれも2017年度)と増加傾向にある。また、府が17年度に実施した引きこもり実態調査によると、家にこもるようになったきっかけの24・0%が小中高校での不登校だった。

     府教委は「不登校の中学生が卒業すると中学教員らのサポートがなくなる。生徒や家族が安心できるよう、早期支援特別班とうまくマッチングする仕組みをつくりたい」(学校教育課)としている。

     相談は脱ひきこもり支援センター075(531)52550


    「外部とつながりを」

     京都府が不登校から引きこもりにつながらないようにする対策を強化した。京都市東山区を拠点に活動する「不登校・ひきこもりを考える親の会」の大槻明美代表(66)に、不登校、引きこもりの実情や、支援する際に重要なポイントを聞いた。(三村智哉)

    ―引きこもりの人を支える上で大切なことは。

    「一番しんどいのは本人。引きこもることはマイナスではない。家で自分と向き合ったり、エネルギーをためたりする時間も大切。親が無理やり引っ張りだそうとすると、家にいてもエネルギーを消耗する。家にいても大丈夫というメッセージを伝えることが大事」

    ―川崎市の児童ら殺傷事件や元農麻水産事務次官による長男刺殺事件を受け、引きこもりに厳しい視線が注がれた。

    「引きこもりの人は外に出るエネルギーが少ない。『怒って壁に穴を開けられた』と打ち明ける家族は多いが、事件を起こした話は聞いたことがない。引きこもりの人が事件を起こしやすいと安易に考えないでほしい。元事務次官は引きこもりがちだった長男について周囲に相談した形跡がなかったという。孤立すると、親は自分で何とかしようと抱え込みがちになる。元事務次官の件は家庭で対処できる限界を超えていたのではないか」

    ―当事者の保護者に向けてアドバイスは。

    「引きこもりの人や家族は孤立しがちになる。親の気持ちが楽になれば、子どもに対する見方に余裕ができる。親の会に参加したり支援機関に相談したりすることが大事だ。子どもの充電ができた時、親がどこかにつながっていれば、その動きだしを支えることができる」



    7月11日 洛西ニュータウン 小中一貫校開設向け準備会

     京都市西京区の福西小と竹の里小、西陵中のPTAや地元自治連などが、小中一貫教育校の開設に向けた「創設準備会」を5月に立ち上げていたことが10日、分かった。市教育委員会が同日開かれた市議会教育福祉委員会で明らかにした。

     洛西ニュータウンにある同地域では、少子化で児童生徒数が激減。ピーク時は小学校1校だけで千人以上が在籍した時期もあったが、本年度の在校生は福西小で224人、竹の里小で166人、西陵中で203人となった。

     このような状況を受け、各校のPTAと学校運営協議会、福西、竹の里学区の自治連は5月、3校を統合して小中一貫教育を進める創設準備会を発足。7月中にも一貫校開設を求める要望書が市教委に提出される見込みという。



    7月10日 舞鶴市 閉校小学校が野菜工場に

     京都府舞鶴市は9日、2010年度末に閉校した同市地頭の旧岡田上小に、野菜を生産する植物工場を開設する福岡県のベンチャー企業「YASAI(ヤサイ)」と賃貸借契約を結んだ。閉校した学校を民間企業が事業に活用するのは市内で初めて。最先端の生産技術で年間を通して野菜を出荷し、地域での雇用も創出する。

     同社は体育館と教室の一部を借り、府立大が開発した生育期間短縮などの技術を導入し、LED(発光ダイオード)や養液を用いた水耕栽培で栄養価の高いレタスなどを生産する。11月上旬に栽培を始め、12月中旬から出荷するという。教室に直売所を設け、デパートや高級スーパーにも出荷を見込む。

     調印式は市役所(同市北吸)であり、瓜生茂広代表取締役や多々見良三市長、地元関係者らが出席。多々見市長は「閉校施設の活用が課題となる中、第1号が実現でき、喜んでいる。地区の活性化につながってほしい」と期待を込めた。

     市は16年度以降、地域活性化や雇用創出に向け、五つの閉校施設を活用する事業者を募集していた。、



    7月10日 子どもの習い事 水泳が1番人気

     大手玩具メーカーのバンダイ(東京)が、子どもに今習っている習い事を複数回答で尋ねたところ、水泳が最多の41・0%だったことが分かった。学習塾(27・0%)、ピアノ(24・9%)に続き、4位には英会話(22・0%)が入った。担当者は「2020年から小学校高学年で英語が教科化されることが影響しているのではないか」としている。

     習い事にかける平均月額は1万3607円で、習い事別で見ると学習塾の1万5362円が最も高かった。

     習い事を始めたきっかけは「親の意向」が61・2%、「子どもの意向」が38・8%。理由を聞くと、親は「体力つくり・運動能力向上のため」、子どもは「兄弟・姉妹が習っているから」が多かった。上位の水泳、学習塾、ピアノは約6〜7割が親の意向で始めていた一方、ダンスやサッカ ーは約6割が子どもの意向だった。



    7月10日 福井地裁 新任教諭の自殺で賠償命令

     福井県若狭町立中学の新任教諭だった嶋田友生さん=当時(27)=が自殺したのは、長時間勤務や負担の大きい勤務状況を認識しながら校長らが適切な措置を取らなかったのが原因として、父親の富士男さん(59)が県と町に約1億130万円の損害賠償を求めた訴訟で、福井地裁(武宮英子裁判長)は10日、約6500万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

     訴状などによると、嶋田さんは2014年に同中学に着任し、1年生の担任や野球部の副顧問などを担当。恒常的な時間外勤務を余儀なくされ、160時間を超える月もあった。

     授業の準備や生徒のトラブル対応などに追われ、土日も出勤していた。



    7月9日 【現論】片山喜博 子どもの貧困対策実効性を

     子どもの貧困対策推進法が改正された。改正前の法律はどちらかというと貧困の連鎖を断つことに焦点を当てていたが、このたびの改正を通じて子どもの現在の生活を改善するための施策により力を入れるという。

     その一環として、従来都道府県にのみ策定が求められていた「子どもの貧困対策計画」について、新たに市町村も策定が求められることとなった。子どもの貧困の解消に本気で取り組もうとすると、住民に最も身近な市町村の果たす役割が大きいことに鑑みれば、遅ればせながらも市町村に計画策定の努力義務が課されたことは当を得ていると思う。

     教師の多忙化

     各市町村にはぜひ子どもの貧困解消に向けて全力で取り組んでもらうよう願っている。ただ、長年地方自治に携わってきた筆者には懸念されることがある。それは、この種の計画策定を国から求められたとき、自治体が計画策定自体を目的にしはしないか、という懸念である。

     本来、自治体が計画を策定する意義は、地域における現状を把握し、その現状を改善するための施策を提示し、それを実現する上で取り組んでおくべき諸課題をあらかじめまとめておくところにある。ここでの諸課題とは、必要な人員や財源の確保だったり、専門家の協力を得ることや関係機関・団体との連携を図ることだったりする。

     子どもの貧困対策では学校との連携は必須で、おのずと学校の在り方が問われる。例えば、学校給食は貧困家庭の子どもたちにとってとても重要な意味を持つが、今でも完全給食を実施していない公立中学校は少なくない。そこでこの際、完全給食を実施しようとすると、当然のことながら財源の見通しを立てておかなければならない。

     また、教師は時間的にも精神的にもゆとりと余裕を持って子どもたちに向き合わなければならない。とりわけ、貧困状態にある子どもたちに向き合う際には、それが強く求められる。ところが、教師の多忙化が叫ばれて久しいのに、いまだに有効な改善策が打ち出されていない。

     教師の多忙化解消は、子どもの貧困への対応という面からも、自治体がもっと真剣に取り組む必要があり、それには教育委員会に学校経営者としての自覚を持ってもらわなければならない。ちゃんとした会社の経営者なら、従業員が多忙を極めていれば、業務量を抑えるかそれとも従業員を増やすはずだ。学校経営の責任を持つ教育委員会にも、それぐらいのマネジメント能力は身に付けてほしい。

     なぞるだけ?

     これらは先の「取り組んでおくべき諸課題」の一例にすぎず、他にも取り組むべき課題はいくつもある。それらを踏まえて計画を策定するのはとても難儀で骨の折れる作業である。そこで、自治体の担当部局では往々にして手抜きを考える。一番手っ取り早い手抜きは、お手本を見つけてそれをなぞって作ることである。

     差し当たって、お手本としては国が策定した「子供の貧困対策に関する大綱」や都道府県が作った計画がある。それらに準じて作れば、取りあえず体裁の整った市町村計画ができあがる。

     でも、それでは「仏作って魂入れず」で、ほとんど実効性が伴わない。自治体が地域の現状をつぶさに把握する努力をしていないし、施策を実現するための課題にも真摯に取り組んでいないからである。

     子どもの貧困を解消することはとても大切で急がれる行政課題である。自治体は、国の指示でやらされるという消極的姿勢ではなく、ぜひ自らの地域の重要課題として、まずは地道な計画策定の作業から取り組んでほしい。

     自治体はこれまでも国から求められて「いじめ防止基本方針」に「ドメステイックバイオレンス(DV))防止等に関する基本計画」「自殺対策計画」など、弱い立場に置かれた人たちのための施策に関する計画をいくつも策定してきている。

     それらは国の準則や手引などのお手本をなぞっただけのものになっていないか、本当に自分たちの施策を実現するための真の指針になっているかなど、この際点検してみることも併せてお勧めする。



    7月6日 大津市教委 35度超なら体育や部活禁止

     夏本番を前に、滋賀県内でさまざまな熱中症対策が進められている。「災害級」と呼ばれた昨夏の経験から、小中学校では気温35度以上になれば体育授業や部活動を禁止する動きがあり、シルバー人材センターは高齢者の屋外労働の休憩時間を配慮して、体調不良を招かないよう警戒している。

     県内では昨年7〜9月、同期間では過去最多の1012人が熱中症で搬送され、特に7月が7割を占めた。2人が死亡し、10人が重症だった。

     大津市教育委員会は5月、気温や湿度から熱中症になる危険度を表す「暑さ指数」に準じた対策を市内の小中学校に通知した。

     指数が最も高い「危険」(気温35度以上)になった場合、屋外やエアコンのない室内での活動、体育や部活は禁止し、授業前には健康観察を行うなどと決めた。夏休みに伝統的に続けてきた全小学校参加の水泳記録会も中止した。

     同市音羽台の逢坂小では教諭が暑さ指数計を身に付け、常に気を配る。保護者には児童が持参する茶に塩を入れたり、朝にみそ汁を飲み、塩分を取るよう勧めている。生徒指導担当の山田寿樹教諭(36)は「子どもの健康を守るため対策を徹底したい」と話す。

     猛暑は、小学校の運動会の時期にも影響を与える。県教委によると、昨年度は9月に実施する予定だった36校が10、11月に延期した。本年度も甲賀市などで10月開催が増えているという。

     運動会当日もテントで直射日光を遮り、小まめに水分補給をするのは「常識」に。6月上旬に行った草津第二小(草津市大路2丁目)は散霧機を用意し、児童がミストで涼を取った。

     働く高齢者向けの予防策もある。60〜95歳の1万2千人が登録する県シルバー人材センター連合会では、公園清掃などの屋外作業の時、暑さのピークとなる午前11時〜午後2時を休憩にしたり、始業時間を早めて午前中に終えるよう工夫したりしている。同連合会は「高齢で重症化しやすいだけに、注意を払わないといけない」としている。



    7月6日 G7教育相会合 ネットいじめ世界で深刻化

     先進7カ国(G7)の教育相会合が4日、パリ近郊セーブルで開かれ、世界各地の児童・生徒の間でソーシャルネットワークなどインターネット上のいじめが深刻化する中「あらゆる形のいじめと闘うため団結する」とうたった共同宣言をまとめた。

     議長国フランスは、パリで来年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)や他の国際機関と協力し、いじめ対策に関する国際会議を開くと発表した。

     マクロン大統領夫人で元高校教師のブリジットさんも会合の一部に参加した。演説で「私たちの敵は沈黙だ」と述べ、問題を表面化させて対処する必要性を訴えた。日本からは柴山昌彦文部科学相が出席した。

     共同宣言は、世界中で最大3割の生徒がいじめを経験したことがあると推定されると指摘。「学校が安全で、全生徒にとり居心地の良い場所であるよう取り組む」と訴えた。ただ具体的な措置は盛り込まれなかった。

     フランスでは、東部で同級生をいじめた11歳の少女2人について、司法当局が異例の捜査に着手したと報じられるなど、日本と同様、学校でのいじめが大きな社会問題となっている。



    7月5日 東京地裁 朝鮮学校周辺の街宣禁止

     東京朝鮮中高級学校(東京都北区)を運営する学校法人が、最寄り駅前で学校を非難する街宣活動をしている男性の活動禁止を求めた仮処分手続きで、東京地裁(古谷健二郎裁判長)は5日、駅を含めて学校の半径500メートル以内での演説やシュプレヒコールの禁止を命じる決定を出した。

     学校側は東京都内で記者会見し、李春熙弁護士は「学校に押し寄せなくても、最寄り駅での行為を禁止した点に意義がある」と指摘。学校の金生華教務部長は「子どもの恐怖心などをくみ取ってもらい、ありがたい」と話した。

     男性側の徳永信一弁護士は「表現の自由に対する重大な侵害だ」とのコメントを出した。



    7月3日 大阪市立小 児童朝礼に「愛国の歌姫」

     大阪市立泉尾北小(小田村直昌校長)が改元に伴う10連休後の5月8日、全校児童を集めた朝礼に「愛国の歌姫」と呼ばれる女性歌手を招き、初代天皇とされる神武天皇に関する歌や、「ああ勇ましく、日の丸が行くぞ」という歌詞のオリジナル曲などを聞かせていたことが3日、分かった。

     市民団体が「国民主権にそぐわない内容。公立学校でこのような集会は不適切で、児童や保護者に謝罪すべきだ」と市教育委員会に抗議。市教委の担当者は取材に「神話など不確かな内容を教育の場で取り扱う際は、多面的な捉え方をするよう留意すべきだった」と話している。

     関係者によると、朝礼では小田村校長が5月1日に即位された天皇陛下について、神武天皇から126代目に当たると説明。歌手からは、仁徳天皇にまつわる「民のかまど」の話もあった。小田村校長は同小のホームベージに朝礼の様子を写真とともに掲載。「とてもいいお話」などとコメントした。歌手に謝礼は支払っていないという。

     小田村校長は銀行勤務を経て2012年に大阪府大東市立小の校長に就任。その後、大阪市教委の公募で同市立小の校長になった。保守派の講演会やインタ、ネット動画などで発言している。泉尾北小は「校長は多忙で、対応できない」としている。