日弁連は24日、選挙権年齢の18歳以上への引き下げを受け、文部科学省が2015年10月に出した高校生の政治教育や政治活動に関 する通知について、政治的中立の確保などに触れた記述が「高校生の学習権を侵害する」として、見直しを求める意見書を公開した。意見書は21日付で、文科相や総務相、各都道府県知事宛てに郵送された。 通知は教員に「個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導すること」と要請している。 日弁連は教員が萎縮し、政治的論争のある問題を授業で取り上げなくなる恐れがあると指摘。「生徒は、自己の政治的信条の発見や、現実の政治に対する公正な批判力を培う有用な機会を奪われる」と訴えた。 また、校内で高校生が政治活動や選挙運動をするのを禁止したことに対し、「政治的事象が取り上げられる授業の湯で、高校生の具体的な見解の表現や活動が『政治的活動』と一律に禁止される」恐れがあり、学習権の侵害に当たるとした。 通知で放課後や休日の校外での政治活動などを容認する一方、通知内容を解説した「Q&A集」で、届け出制とすることを条件付きで認めた点についても、日弁連は「政治参加を萎縮させる」として、届け出を義務付けないよう求めた。 |
京都府立朱雀高(京都市中京区)が今年1月、妊娠7カ月の女子生徒に卒業の条件として体育の実技を求めていた問題で、山田啓二知事は23日の定例記者会見で学校側の対応について、一般論として「妊娠したから学業できない、ということはあってはならない」と述べ、府教育委員会が調査を始めたことを明らかにした。 山田知事は「教育現場の具体的な事象については政治的中立の点から、コメントは差し控えるべきだ」としつつ、「府教委から、(女子生徒に対応した)副校長への指導を含めて今、調べているという報告があった」と述べた。府教委によると、同高から報告書が提出されれば、校長、副校長らの聞き取り調査を行い、問題があると判断すれば指導するという。 女子生徒は3年生で、同級生と一緒に卒業することを望んだが、休学届を学校側から渡され、休学している。 |
【ハノーバー共同】ドイツ外務省は22日、ドイツとポーランドが共同で編さんした共通の教科書「欧州―私たちの歴史」の第1巻が完成し、両国の学校で秋ごろに始まる新年度から導入されると発表した。 第2次大戦でナチス・ドイツの侵略を受けたポーランドとドイツの両国民の間で、共通の歴史観や欧州観を根付かせるのが狙い。2008年から両国による共通教科書づくりが進んでいた。 第1巻は中世までの欧州の歴史をまとめた内容で、日本の中学生に相当する年齢の生徒が主な対象。ポーランド語版とドイツ語版がある。今後、第4巻まで編さんし、現代史まで網羅する。 |
京都府、京都市両教育委員会は17日、2017年度採用の教員選考試験の志願状況を発表した。採用枠に対する志願倍率はいずれも6倍超となり、特に中学、高校が10倍を超えた。 ■中高は10倍に 府教委は380人程度(前年度比20人減)の採用枠に対し、志願者は2514人(同74人減)だった。全体倍率は6・6倍(同0・1ポイント増)で2年ぶりに増加した。 校種別倍率は、小学校が4倍、中学校が10・3倍、高校が10・8倍、特別支援学校が3・9倍。養護教諭は7・3倍、栄養教諭は8・2倍だった。 市教委は採用枠320人程度(同15人増)に対し、志願者は2092人(同57人増)だった。採用枠を増やした影響で全体倍率は6・5倍(同0・2ポイント減)と3年連続で減少した。 校種別倍率は、小学校が4・5倍、中学校が10・9倍、高校が18・2倍、総合支援学校が4・7倍だった。養護教諭は9・5倍、栄養教諭は6・1倍だった。 両教委は今回、大阪府教委や民間企業が採用活動時期を早めたことを受け、1次試験の日程を昨年から24日前倒しして7月2日に設定した。市教委人事課は「志願者数が増えたのは早期化の効果とみられる」としている。 |
12日に投開票された京都府福知山市長選で、同市の大江高が主権者教育の一環で生徒による模擬選挙を行ったところ、市選挙管理委員会が公職選挙法の「人気投票の公表の禁止」規定を理由に、事後であっても報道機関に結果を一切公表しないよう、高校に伝えていることが15日、分かった。総務省は選挙後の公表について、「法抵触の恐れはない」としている。 大江高は、選挙や社会制度を学ぶ府教委の「法やルールに関する研究指定校」。22日公示の参院選から選挙権年齢が18歳以上に広がるのを前に、7〜10日、現代社会の授業で地元の市長選をテーマに模擬選挙を行った。3年生が立候補した2人の公約などを学び、市選管から借りた記載台を使い、97人が投票した。 同高によると、10日に担当教諭が「開票」し、実際の投開票翌日の13日に結果を生徒に知らせた。取材対応について市選管に問い合わせたところ、公選法の規定を理由に「新聞報道で結果を伝えるのはまずい。法律に触れる恐れがあるので(取材対応は)差し控えてほしい」と回答があったという。取材に対し、市選管担当者は「結果を授業で発表するのもよくないのでは」と話した。 市選管の中見信治事務局長は、公選法の「公職に就くべき者を予想する人気投票の経過や結果を公表してはならない」との条文を基に、「模擬投票結果の一切の公表は法に違反する恐れがあり、4年後の市長選への影響も考えた」などと述べた。「選管の意見を述べたが、あとは高校の判断だ」としている。総務省選挙課は「選挙結果の確定後は生徒に教えたり、マスコミに公表したりすることが公選法に抵触する恐れはない」との見解を示している。 同市長選は、元府議で無所属新人の大橋一夫氏(62)が、無所属現職の松山正治氏(78)を大差で破り、初当選した。関係者によると、大江高の模擬投票では、松山氏が「圧勝」したという。 ![]() |
京都府立朱雀高(京都市中京区)が1月、妊娠7カ月の3年女子生徒(18)に対し、卒業の条件として体育の実技をするよう求めていたことが分かった。保護者や本人の意向に反し、一方的に休学届も送りつけていた。学業か出産かの二者択一を迫る学校の対応に、文部科学省は「妊娠と学業は両立できる。本人が学業継続を望む場合、受け止めるべき。子育てに専念すべきとなぜ判断したか分からない。周囲の協力を得ながら育児するのは働く女性も高校生も変わらない」と批判している。 これに対し同高は15日、「学校の認識にかなり古い部分があった。見直さないといけない」として、今後、妊娠生徒への対応を改める意向を示した。 副校長は4月、妊娠生徒に体育実技をするよう求めた理由について、取材に「妊娠すると子育てに専念すべきで、卒業するというのは甘い」「全日制では妊娠した生徒は学業から離れないといけない。府民の要請がある」などと説明。補習の実技として「持久走などハードなこと」を例示した。 副校長の見解に対し、同高に苦情や問い合わせの電話が相次いでいるという。 生徒は同級生と一緒に卒業することを希望していたが、休学届を学校側から渡され、休学している。 また副校長は同日、「(妊婦にとって)学校が一つの壁だったのは認めざるを得ない。妊娠がマイナスイメージであってはならず、今後、改めないといけない」と述べた。 京都府教育委員会高校教育課は15日、「高校には、それぞれの生徒の状況に応じて配慮するようにと繰り返し言っている。妊娠も、病気やけがと同様に配慮が必要」との見解を示した。妊娠した生徒の体育授業について「実技ではなく、リポート提出や軽微な体操で配慮できる」としている。 スポーツ庁学校体育室は「体育の評価は実技だけではない」と、実技にこだわる朱雀高は認識不足と指摘する。学習指導要領にある評価の観点は運動技能含め知識や意欲など4点で、「妊娠や障害など考慮すべき一つ一つのケースを明記せずとも、現行の記述で生徒の人権に配慮した授業は行える。学習指導要領の趣旨が現場に周知されていないのなら残念」とした。 |
京都府立朱雀高(京都市中京区)が1月、妊娠7カ月の3年女子生徒(18)に対し、卒業の条件として体育の実技をするよう求めていたことが分かった。保護者や本人の意向に反し、一方的に休学届も送りつけていた。学業か出産かの二者択一を迫る学校の対応に、文部科学省は「妊娠と学業は両立できる。本人が学業継続を望む場合、受け止めるべき。子育てに専念すべきとなぜ判断したか分からない。周囲の協力を得ながら育児するのは働く女性も高校生も変わらない」と批判している。 2014年に出産した18歳は府内72人、滋賀県内37人。仕事と育児、仕事と介護など、政治は「両立できる社会や少子化対策をうたうが、学業と出産の両立はめったに言及されない。 厚生労働省の「健やか親子21検討会」は2000年、「妊娠・出産により教育機会が妨げられないよう取り組む」との報告書を公表。識者から、性教育が妊娠予防に重点を置く弊害で初診の遅れや孤立を招いており、「産み育てるための性教育」への転換が必要との声もある。 10代の妊娠に詳しい大阪府立大の大川聡子准教授(地域看護学)は「問題の背景は国や自治体のガイドラインがなく、各学校の対応に委ねられていること」とした上で、「妊娠した生徒の今後の可能性を広げるためにも、本人の学業継続への意向を踏まえ、本人に合った学ぶ環境を整えることが教育機関の役割だ。(そうでないと)『妊娠したら学業を続けられない』というメッセージにつながりかねない」と懸念する。 スポーツ庁学校体育室は「体育の評価は実技だけではない」と、実技にこだわる朱雀高は認識不足と指摘する。学習指導要領にある評価の観点は運動技能含め知議や意欲など4点で、「妊娠や障害など考慮すべき一つ一つのケースを明記せずとも、現行の記述で生徒の人権に配慮した授業は行える。学習指導要領の趣旨が現場に周知されていないのなら残念」とした。 女子生徒のかかりつけ医だった産科医は「妊娠すると腹部の痛みや出血、しんどい日も出てくる。妊婦に体育実技を要求するのは酷すぎる」と指摘。「学業には生徒の人生がかかっている。激しいスポーツは無理でも、見学やりボート提出など軽減措置を取れないのか。教諭には第二の親になってもらいたい」と柔軟な対応を求めている。 朱雀高の副校長(59)は京都新聞の取材に、「妊娠は本校が定める『特別な事情』ではない。体育の補習は実技しかなく、妊娠していても持久走などハードなことをやる必要があった」と語った。 朱雀高では病気、生理を「特別な事情」と位置付け、体育を見学しても成績面で配慮している。妊娠を「特別な事情」に含めない理由について、副校長は「生徒の妊娠は今の社会の中でマイナスイメージがかなり強い。朝から夕方まで学業に取り阻む全日制の趣旨にふさわしくなく、これは府民の要請だ」とした。 その上で「妊娠すると子育てに専念すべきで、卒業するというのは甘い」との見解を示した。 府教委によると、妊娠生徒への対応は各高校に任せている。府立高に30年以上勤務した元養護教諭(58)は「(妊娠した生徒の)体調を配慮し、体育を見学する代わりにリポート提出を求めていた」と振り返る。府立高でも対応が分かれており、「教育の機会均等」が保たれていないとの指摘もある。 ![]() |
選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる参院選(22日公示、7月10日投開票)の投票日を1カ月後に控え、京都府内の各選挙管理委員会が、10代への働き掛けに知恵を絞っている。高校生らによる座談会企画や大学での周知グッズ配布など工夫を凝らし、新たな有権者に政治参加を促す。 「政治は別の世界の話みたい。若者向けの政策を打ち出してほしい」「投票は、社会の将来を考えるきっかけになる」。5月31日に京都市中京区で開かれた「18歳選挙権」に関する座談会。府選管が初めて企画し、参加した高校生、大学生が率直な意見を交わした。話し合いの様子は若者向けの雑誌や情報紙に掲載され、全国に配られる。 選挙権年齢の引き下げにより、府内の有権者は約5万人増えると見込まれる。20代の投票率が低調な中、10代有権者の動向にも期待と不安が交錯する。 府選管は、若者が多い自動車教習所にも着目した。教習生が投票を呼び掛ける映像を、府内の教習所7カ所で流す予定という。選挙に関する高校での出前講座も、3月までに延べ16校で実施した。担当者は「分かりやすい表現と、同世代による呼び掛けを意識している」と話す。 「大学のまち」をうたう京都市の市選管は4月、市内の大学生協で、18歳選挙権を祝うデザインの袋に入った割り箸を配布した。参院選向けの新デザインも間もなく完成する。高校3年生向けには、投票の大切さを分かりやすく解説するリーフレットを作る。 ただいずれの周知事業も、従来の手法の延長線上にあり、投票率アップへの効果は未知数だ。 そんな中、木津川市選管は市内の高校2校に期日前投票所の設置を決めた。立会人も生徒に務めてもらう予定で、担当者は「10代へのアプローチは経験がないだけに難しいが、政治参加をどこまで進められるか。周知を担う選管の姿勢も問われている」と気を引き締める。 |
京都府立聾学校(京都市右京区)の生徒らが、新たに赴任する教員に対して事前に十分な手話研修の実施を求めている。生徒側は「正確な手話ができない教員と会話が食い違い、授業の理解が乏しくなる場合がある」と訴えており、全国的にも問題となっている。有志がグループを結成して署名活動を始める。 襲学校によると、教員向けに週1回30分の手話研修を行い、ほとんどは個人的にも学んでいるという。授業では必ず手話を使う他、大きな声でゆっくりと話したり、大型モニターを導入して伝える工夫をしている。一方、「教員によって手話のレベルに差があるのは事実」とする。 生徒によると、手話の習熟度が低い教員とは詳細な質問のやり取りができないなど、支障が出るという。昨年には生徒側が、学校に 手話での授業を充実させてほしいと要望している。 高等部3年下森めぐみさん(17)は「自分たちの言語の手話で十分な授業を受けたいとの気持ちはみんな同じ。先生も苦労を強いら れている。コミュニケーションが取れないことは互いに不幸だと思う」と話す。 京都市や城陽市で手話言語条例が制定され、4月に障害者差別解消法が施行された。関心の高まりに合わせて現状を変えようと、生 徒や卒業生らがグループ「Dawn of the DEAF」を結成した。 署名活動や意見交換の場を設けるなどして、新任教員が十分な水準の手話ができるようにする事前研修の義務化を府に働きかける。 メンバーが作成した署名活動の趣旨説明では、手話習得の大半を教員の努力に任せていると指摘し、「(新任教員は)数年たてば手話 は身につくかもしれないが、その間、生徒はコミュニケーションが十分に取れない環境で我慢しなければいけません」と切実な思いを訴えている。 聾学校では4月から授業の改善に向けたプロジェクトを進めている。酒井弘校長は「勉強面で絶対に不利益があってはならす、生徒には希望の進路を歩んでほしい。生徒の声を重く受け止めて、対話を続けて分かりやすい授業のための努力をしていきたい」と話す。 グループ代表の高等部3年衣川暁さん(20)は「きちんと勉強ができる環境がほしい。私たちの現状を多くの人に知ってもらい、制度を変えていきたい」としている。 署名活動に先立ち、12日午後2時から北区紫野北花ノ坊町の市北いきいき市民活動センターで講演会「日本手話とろう文化」を催す。 参加費500円(高校生以下は無料、要学生証)。問い合わせは電子メールdawn_of_the_deaf@yahoo.co.jp 教員個人や学校の責任ではなく、聴覚障害者教育の構造的問題だ。聴覚障害者の学校が1校しかない都道府県がある中、全てがそうではないが手話を習得した教員は数年単位で他の特別支援学校ど別の学校へ異動してしまう。手話を知らない人も配属されてしまい、専門性は確保しにくい。北欧では教員が一定の教育現場を経て、大学院レベルで本格的に手話や障害の知識を学んでから赴任するのが一般的だ。国が政策転換をして、人事異動や教員の養成などの抜本的な対策を講じる必要がある。 ![]() |
丹後地域の京都府立高のあり方を話し合う懇話会が8日、京丹後市で開かれた。府教育委員会は生徒数の減少を見据えた高校再編の手法として、既存の校舎や校地を残しながら高校を実質的に統合する「学舎制(キャンパス化)」を提案。組み合わせ候補として宮津・加悦谷両高、網野・久美浜両高を示した。地元意見も踏まえ、9月を目途に方向性を決定する。早ければ2019隼度の移行を目指す。 京丹後、宮津両市、与謝野、伊根両町の教委やPTA関係者、府立高校長ら26人が出席した。府教委は丹後地域の中学3年の人口が今後10年で3割減り、府立高1校平均の学級数も2〜3クラスに縮小するとの推計を説明。各高で専門的な教科指導や習熟度別授業、部活の維持などが難しくなるとの課題を挙げた。 丹後地域の府立高のあり方として学舎制と現状維持、統廃合の3パターンを例示。中でも学舎制は一定規模の生徒数や教員数を確保でき、教育内容の充実や部活の活性化などにつながる利点があるとして、今後の議論の基本路線とする考えを示した。伊根、弥栄、間人の3分校は弥栄分校に統合する案を打ち出した。 出席者からは学舎制と分校の違いや学舎間の移動手段について質問があり、川村智指導部長は学舎は分校と違って対等ととらえている。移動手段は各高校にバスを導入することが考えられる」と述べた。「具体的なイメージを持ちにくい」との意見も出された。 府教委は8月初旬までに懇話会を再度催すほか、主に小中学生の保護者を対象とした公聴会も5カ所で開き、計画づくりに反映させる考え。 |
京都府亀岡市教育委員会は、市内の小中学校の再編を考える市学校規模適正化地域別推進協議会を立ち上げた。このほど第1回会議を開き、複式学級の小学校がある別院中と、児童数が増えている東輝中・詳徳中の2地域で先行してブロック協議会を開催することを決めた。 市教委は保護者や住民、学識経験者らでつくる検討会議の提言を受け、3月に基本方針をまとめた。本年度から具体的な取り組みを進める。 地域別推進協議会は、自治会連合会やPTA連絡協議会、小中学校校長会の各会長、教育部長らで構成する。 第1回会議では、市教委が中学校区ごとにブロック協議会を開くことを説明。「別院中ブロック」の東別院小と西別院小では校区外から通学できる特認校を、教室不足が懸念される安詳小がある「東輝中・詳徳中ブロック」は校区変更を、3年をめどに検討する考えを示した。 委員からは「若い世代と年配の世代では考え方が両極端という声を聞くので、うまくまとめてほしい」「現場や保護者、地域の意見を十分聞くべき」といった意見が出た。6月下旬ごろに二つのブロック協議会を開く。 ![]() |
2020年度以降に小学校で必修化される予定のプログラミング教育について、文部科学省の有識者会議は7日までに、自分の意図を実現させるための筋道を論理的に考えることができる「プログラミング的思考」を、各教科の授業に関連付けて育成するとの取りまとめ案を大筋で了承した。教科の新設はしない。 案は、プログラミング的思考を「これからの時代で共通に求められる力」と位置付け。小学校段階ではプログラミング言語や入力手順を覚えるのが目的ではなく、身近な生活でコンピューターが活用されていることや、問題解決には必要な手順があることに気付かせるとした。 ![]() |
教員の長時間勤務を解消しようと、文部科学省が省内チームを発足させて、改善策を検討している。特に教員の負担とされる部活動に焦点を当て、休養日を設けることを浸透させたい考えだが、部活動を重視する考えも根強く、どこまで実効性が伴うのか不透明だ。 経済協力開発機構(OECD)が中学教員を対象に実施した2012〜13年の国際調査では、1週間の仕事時間が53・9時間だった日本が、 参加国で最長。中でも部活動など課外活動の指導は7・7時間に上った。 部活動の顧問の負担は以前から問題となっており、文科省は1997年度に中学の運動部は週2日以上、高校は、週1日以上の休養日を設定するとの指針を策定している。 生徒の生活リズムを考慮し、中学運動部の朝練習を原則禁じるなどの基準を設けた長野県のような例もあるが、指針が現場に浸透しているとは言い難い。土日の試合が多いほか部活動は生徒の連帯感や責任感を育むといった教育的意義があり、保護者らの期待が高い側面もあるためだ。 文科省は今回の検討に当たって17年度、16年ぶりに中学、高校の教員や生徒らを対象に、運動部の練習時間や学校生活への影響を調べる予定だ。調査結果を基に、ガイドラインを、早ければ17年度末までに作成するとしている。 ![]() |
滋賀県教育委員会は2日、2017年度の公立学校教員採用試験の志願者数が過去40年で最多の2757人になったと発表した。近隣府県との併願ができるよう試験日程をずらしたことなどが要因とみている。懸案だった小学校の志願倍率も目標の3倍を大きく超え、担当者は「これほど多いとは」と驚いている。 志願者数は前年より616人増えた。小学校は826人(前年643人)で、採用予定数で割った志願倍率は3・8倍(同2・9倍)となり、4年ぶりに3倍を超えた。近年採用のなかった音楽、美術、書道を募った高校は741人(同542人)が出願し、倍率は9・3倍(同6・4倍)と最も狭き門となった。中学校は803人(同633人)で志願倍率は6・7倍(同5・3倍)。 近年、ベテラン教員の大量退職などに伴い志願倍率が低下していた。今回の結果について、県教委は1次試験の日程を京都や大阪の府教委などと1週間ずらしたほか、教育長ら幹部が大学に出向いて学生に直接PRするなどさまざまな対策が奏功した、とみている。 教職員課の山内健嗣人事主事は「他府県との併願が可能になり、受験者は例年より減る可能性がある。ぬか喜びをせず、優秀な人材を確保できるよう気を引き締めたい」と話している。 |
文部科学省の有識者会議は2日、タブレット端末などを使う「デジタル教科書」を、次期学習指導要領が実施される2020年度から、紙の教科書と併用する形で導入するとの報告書の中間まとめ案を大筋了承した。4月に示した案から大きな変更はなかった。年内に報告書をまとめる予定。 当面は紙の教科書を基本とし、単元によってデジタル版だけを使う形を認める。教育効果や健康への影響などを調べた上で、教育委員会の判断で紙かデジタル版のどちらかを選ぶ制度も将来的には考えられるとした。 |